2011年1月10日月曜日

CESが終わって (2) 今後のAndroidバージョンは?

前回からの続きです。

Androidのメジャーバージョンの方は、「MOTOLORA XOOM」にAndroid3.0 「HoneyComb」の搭載が確認されています。
内容を見る限り、Android3.0は完全にタブレットデバイス向けの提供になると思われます。そもそもAndroidのUIはパームトップデバイス に特化していたため、タブレットには全く向いていないのは周知の事実ですが、このUIなら常用に耐えそうに思えます。XOOMのスペックもかなり高いし ね。 

■動画:Android 3.0 " Honeycomb " 紹介、タブレット最適化UI デモ

一方、 これでAndroidにも、スマートフォン向けの2.X系列とタブレット向けの3.X系列が混在することになり、iPhoneとiPadよろしく、バージョンの分断化問題がより深刻化することになりそうです。
スマートフォン向けしかない現状でさえ、バージョンと端末の細分化が問題になっている訳で、やはり早い段階でスペックの標準化を行う必要があるような気がします。少なくとも、アプリケーションベンダが端末を準備して、個別に動作確認を行うような状況じゃ、ビジネス向けの普及はとても望めません。
 (スマートフォン向けとタブレット向けのバージョンは、次期Android「Ice Cream」 で統合されるという噂もありますが、正式には何も発表されていません。)

それはそれとして、スマートフォン向けにはAndroid2.4がリークされているようです。
これはどうもGingerBreadのマイナーバージョンアップで、2.0に対する2.1(どちらも開発コードはEclair)のようなものと思われます。
まだNexusS向けのテストビルドのようなので、リリースまでにはしばらくかかると思いますが、配布時は混乱の無いようにしてほしいもんです。

■Android 2.4(GRH84)を搭載したNexus Sが見つかる、Nexus One向けにも2.4が配信される?(更新)

CESが終わって (1) 注目の新機種は?

ちょっと遅きに失した感もありますが、2011 INTERNATIONAL CESが終わった後の感想でも。意外と伏兵がいっぱい出てきて面白かったですね!

 ハイエンドAndroidスマートフォンとしては、なんといってもMOTOROLAの頑張りっぷりが目立ってました。
 中でも一番の注目株はOlympusこと「Atrix 4G」かしら。ノート型ドックのコンセプトはやりすぎとしても、スペック的にはかなり尖がってます。
 Tegra 250は今年のスマートフォンのスタンダードになるだろうし、QHDディスプレイ、1GBRAM、HDMI出力搭載とくれば文句のつけようがない感じ。「LG Optimus 2X」と比較しても、解像度やRAMで頭一つ抜けてるしね。
 LTEやWiMAXにこそ対応してないけど、AT&T向けということなので、うまくすればFOMAプラスエリアで使用することも出来そう。国内で使う際に障壁になるのは、SIMフリー端末が提供されるかだけど、UKやカナダでも発売されるみたいなので、期待できそうな気はしますね。

■モトローラのTegra採用スマートフォン Atrix 4G、合体でノート型に変身

 一方サムスンからは「Infuse 4G」が発表されてます。
 こっちはスペック的にはAtrixより若干落ちますが、シングルコアながら1.2GHhzのHummingbirdプロセッサ搭載はクロック数では最速です。ただし、HummingbirdはCortex-A8搭載に対して、Tegra2はCortex-A9搭載と、ARMコアの世代が一つ違うので、シングルタスクの性能でInfuseが勝つかというと微妙な感じ。

じゃあ大したことないのかと思いきや、何気に見逃せないのが「Super AMOLED Plus display」の採用です。
今までの携帯電話用有機ELは、所謂「VisualWVGA」解像度で、RGBのサブピクセルのうち、RedとBlueが一つ置きに配置されていたため、細かい文字を表示すると色が滲んじゃってました。(NexusOneやHTC Desireもそうです)
今回の「Super AMOLED Plus display」の解説に「サブピクセルを50%増やした」との記載がありますが、これがRGBそれぞれについて完全なサブピクセルを備える事を意味するのであれば、今まで有機ELが抱えていたデメリットが解消され、メリットである高コントラストや高彩度のみを存分に生かせるディスプレイになりそうです。

まぁ、Infuse自体は4.5インチディスプレイと、アメリカンサイズなので、日本を初めとする他国での展開はちょっと期待薄かも。サムスンは2月のMWCでデュアルコアスマートフォンや、タブレットの発表を予定しているので、本命はそっちなのかもしれません。おそらく「Orion」搭載スマートフォンも2月発表なんじゃないかなと。

■新Galaxy S携帯は Infuse 4G、4.5型スーパー有機ELプラス採用でサブピクセル50%増
■サムスン、デュアルコアAndroid携帯と次世代タブレットは来月発表

長くなったので次に続きます。

2010年12月31日金曜日

iPhoneとAndroidの今後は?

なんか気がついたら今年も後数時間で終わってしまう訳ですが、終わってしまう前に今年のスマートフォン関連の動きを簡単にまとめて私見を。

ITmediaの下記記事なんかでも言われているけど、とにかく今年はiPhoneの年であり、Androidの年でした。そして両者が直接激突した初めての年でもあった訳です。
去年までのAndroidは端末も普及率も話にならないレベルだったしね。

■スマートフォンオブザイヤー2010特別対談

米国では、昨年末のDroid発売から、日本では4月のXperia発売から本格的にAndroid端末の普及が始まった訳ですが、やはりiPhone4・iOS4に完成度では適わない印象です。
OS自体はマルチタスクにしろインテントにしろ、iOSより進んだ機能をいくつも搭載していますが、UIの滑らかさやアプリのエコシステムを考えるとちぐはぐな印象が否めません。

特に、Androidの抱える重大な問題として、セキュリティと分断化の2つが上げられます。

PCにしろケータイにしろ、OSには脆弱性が付き物な訳で、定期的なアップデートの適用は必須です。プラットフォームが1種類に統一されているiOSは定期的なセキュリティアップデートの提供が可能ですが、パッチの提供がキャリアやベンダ任せになっているAndroidでは、脆弱性問題はそう簡単に解決できません。
所謂ゼロデイ攻撃がゼロデイに留まらなくなっちゃうって。

そしてメジャーバージョンも、今月リリースされた2.3「GingerBread」の本格普及を初め、来年は2.4「HoneyComb」、3.0?「IceCream」等、続々とリリースされ、その度に端末が分断化されていく訳です。
AndroidのSDK自体は上位互換が保障されてますが、アプリケーションベンダとしては全ての機種で動作確認を取るのは最早不可能です。

もはやこれを解決するには、WindowsPC宜しく、端末をOSが動くプラットフォームと割り切り、推奨動作スペックで環境を縛るしかないんじゃないんでしょうか。
セキュリティパッチについてもメジャーバージョンアップから切り離し、キャリアや端末ベンダを通さずに適用できるようにするべきです。

来年はAndroid搭載端末数が莫大に増えるでしょうが、セキュリティやアプリ互換性等、最低限統一すべきところは統一できていないと、プラットフォームが無法地帯化して荒廃する一方だと思います。
自由度こそがAndroid最大の魅力ですが、自由であることと無法地帯であることはきっちり区別するべきです。


一方、iOSにとって来年は厳しい戦いになりそうです。
いくら完成度が高いといえ、やはり携帯プラットフォームは外部性の高いネットワーク財なので、数で圧倒されると不利です。
とはいえ、ジョブズの方針からしてiOSを端末ベンダに開放することはあり得ないでしょうから、iPhoneをいかに多くのプラットフォームに展開できるかがカギになるのでは。

米国のAT&T縛りや日本のソフトバンクモバイル縛りをやめ、端末もハイエンドとローエンドの2種類くらいに分化させてエントリー層も取り込めば、Androidの攻勢にも耐えられるんじゃないでしょうか。ジョブズがそれを望むかは別の話ですが・・・


なんにせよ、あまり争うばかりではなく、WindowsPhoneやBlackBerryも含めて、スマートフォンプラットフォーム自体の隆盛を図って欲しいものです。

2010年12月18日土曜日

NexusOne向けAndroid2.3 ROMが公開!(ただし非公式)

AOSP版ソースを基にしてビルドされたらしい、NexusOne用のAndroid2.3ROM(GingerBread)が公開されてました!

といってもまだまだ不完全で、ちょくちょく更新されているようです。
とりあえずソースを読む限り、GoogleApps(Googleが提供ししているアプリ群)が含まれておらず、カメラも動作しないとか。

ちょっと常用には厳しいけど、とりあえず後で試してみたいと思います。

■Gingerbread Comes to the Nexus One… Unofficially… And without Google Apps

2010年12月13日月曜日

LG Starの性能が凄すぎるが・・・来年Q1の代表端末になれるか?

 engadgetにLG Starのベンチマーク動画が上がってますが・・・凄いねこれ。
CPUがデュアルになったのも美味しいけど、やっぱTegra250効果でグラフィックが圧倒的に速いです。
 しかもHDMI出力付きで1080pの動画が再生できて・・・となると、メディアプレイヤー代わりに使用することも出来ちゃいそうですね。

■LG Star preview

とはいえ、2011年第1四半期は、Star並みのスペックを持つ端末が他にも幾つか出てくる予定なので、暫くは静観が吉な気もします。

個人的に一番の注目株は、Motorola Olympus。噂がホントなら、Starと同じくTegra2搭載で、しかも画面解像度がQHD(960×540)というのが美味しいです。

■Is this the Motorola Olympus Tegra 2 smartphone?

対抗馬はホントかウソかまだ分からないながら、Sumsungの次期フラッグシップかなぁ。CPUが1.2GHzってのはかなり凄いです。ただ、デュアルかどうかは明記がないんですよね。デュアルならSumsungの次期SoC「Orion」搭載機だと思うんですが・・・
そもそもこのリーク画像自体かなり嘘くさいので、期待しないで待ってたほうが良さそう。

■サムスン Galaxy S 後継機はスーパー有機EL2 & 1.2GHz プロセッサ搭載、2月発表?

2010年12月9日木曜日

TIの新OMAPはデュアルコアCortexA9で1.5GHz。ローンチは来年末?


 TIからOMAPの新モデル、OMAP44XXが公開されています。

 CortexA9で1.5GHzなら、最大で現在主流のsnapdragon1GHzの倍近いパフォーマンスが期待できそう。それがデュアルコアとくれば、現状はパフォーマンス的に文句なしです。

 一方GPUはPowerVR SGX540と、GalaxySと同等レベル。ちょっと不満が残るかな。。。

 そしてなにより来年上期にサンプルチップ出荷の、年末から年明けに搭載機種リリースじゃ遅すぎる気がします。

 Tegra2なんかはもうcortexA9をのっけて実端末が出荷されているわけで、OMAPももうちょっとスピード感を持って欲しいな。。。この時期なら、cortexA15の2GHzくらい乗っけて欲しい。。。というのは贅沢すぎですかね?

 Texas Instrument Unleashes Monster Dual-Core 1.5GHz OMAP4440 Processor | Android Phone Fans 


2010年12月7日火曜日

Nexus Sはシングルコア搭載。スペック的には若干期待はずれ?

 Android2.3発表にあわせて、新Googleケータイ「Nexus S」も正式発表されています。

ざっとスペックを見た感じ、ちょっと予想より低めの性能でがっかり感が・・・
主要部分を個別に見ていきましょう。

・CPU
CoretexA9デュアルコア搭載の新SoC「Orion」搭載も噂されていましたが、フタを空けてみれば1GHzのHummingbird搭載という結果でした。
 これはGalaxySに搭載されているSoCと同一なので、スペック的にはGalaxySベースと言って良さそうです。


・ストレージ
 公式サイトや各ニュースサイトでは、InternalFlashが16GBと記載されています。
 SD扱いではなく、ext3の内蔵ストレージが16GBあるのなら、今まで容量不足に陥りがちだったAndroidの弱点が大きく改善されたと言えます。
 本当に内蔵扱いかは確認が必要と思いますが。


・3G通信
 HSPA+の対応は無く、HSPAまでの対応のようです(下り7.2Mbps、上り5.2Mbps)
 国内でdocomoプラスエリアが使えるかどうかの判断材料となるUMTS800MHz帯の対応は無し。まぁ、NexusOneは800MHzに対応しているAT&Tモデルでもプラスエリアが使えなかったので、そもそも対応させる気は無いんでしょうが。。。


・ディスプレイ
 800×480(WVGA)のSuperAMOLED。恐らくGalaxySと同世代と思われます。


・ポインティングデバイス
 トラックボールも光学ポインタも無し。まぁ、リーク画像から分かってましたけどね・・・


 その他、新ジャイロセンサー、NFC対応等新機能はいくつかあるものの、やはり一年も前に発売されたNexusOneとハードウェアスペックがさほど変わりないというのは頂けないです。
 来年になれば、SamsungからもデュアルコアCPUがリリースされますし、Snapdragonの新モデルも登場するはず。Googleモデルという大きなメリットはありますが、ここは静観して高スペック端末を待つのが得策かなぁ・・・


■Nexus S